管理栄養士 過去問
第39回
問64 (午前の部 問64)
問題文
植物性食品の加熱調理とその目的の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
管理栄養士試験 第39回 問64(午前の部 問64) (訂正依頼・報告はこちら)
植物性食品の加熱調理とその目的の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 山菜を重曹水でゆでる。 ―――― 軟化の抑制
- れんこんを酢水でゆでる。 ―――― 軟化の促進
- 黒豆を鉄なべで煮る。 ―――― 色の安定化
- さつまいもをミョウバン入りの水でゆでる。 ―――― 軟化の促進
- カリフラワーを酢水でゆでる。 ―――― あく抜き
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
加熱調理の際に行なう工夫についての設問です。
野菜は加熱をすると、水溶性食物繊維の一種であるペクチンが変性します。ペクチンがどれだけ変性するかによって、加熱後の野菜の柔らかさが決まります。
ペクチンは50〜80℃の温度帯で一度硬化し、80℃以上で再度軟化する性質を持ちます。
不正解です。
山菜を重曹水でゆでることは、アク抜きの目的で行われます。
不正解です。
れんこんを酢水で茹でると、シャキっとした食感が引き立ちます。これは軟化の抑制によるものです。
加熱でペクチンは分解され食材は柔らかくなり(軟化)ますが、酢を加えることによってペクチンが分解されづらくなります。
正解です。
黒豆は鉄鍋で煮ることで、より艷やかな黒色を出し、かつ安定させることができます。
これは黒豆に含まれるアントシアニンという色素成分と、鍋の鉄イオンが反応し結合することによります。
不正解です。
さつまいもをミョウバン入りの水で茹でると、発色が良くなり煮崩れが防止されます。軟化の促進ではなく、抑制効果であると言えます。
不正解です。
カリフラワーを酢水で茹でると、白の発色が良くなります。(色の安定化)
参考になった数6
この解説の修正を提案する
02
選択肢「黒豆を鉄なべで煮る。――――色の安定化」において、黒豆の黒い色は主にアントシアニンやタンニンによるもので、鉄イオンと結びつくことで黒色が安定してつやよく仕上がります。他の組合せは、酸・アルカリや金属イオンが軟化に与える方向や目的(あく抜き・色止め)を取り違えています。
重曹(水に溶けると弱アルカリ)はペクチンやヘミセルロースを分解しやすくし、軟化を促進します。山菜ではあく抜きや早く柔らかくする目的で使うことがあり、軟化の抑制ではありません。不適当です。
酢(酸性)はペクチンを固めて組織を締める方向に働き、シャキッとした食感を残す(軟化を抑える)のが目的です。さらに褐変防止(白く保つ)にも役立ちます。不適当です。
黒豆の色素(アントシアニン・タンニン)が鉄イオンと結合して黒色が安定します。昔から鉄釘や鉄なべを用いる理由がこれです。適当です。
ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)は酸性でアルミニウムイオンがペクチンを架橋し、身崩れを防いで硬く保つ(軟化を抑える)方向に働きます。不適当です。
カリフラワーに酢を加える主目的は白色を保つ色止め(褐変防止)と組織を締めることです。あく抜きが主目的ではありません。不適当です。
加熱時の酸・アルカリ・金属イオンの働きを整理すると見極めやすいです。
・酸(酢・ミョウバン)=色止め・組織を締めて軟化を抑える
・アルカリ(重曹)=軟化を促進・あく抜き
・鉄=アントシアニン等と結合して色を安定化
今回の要点は、黒豆×鉄=色の安定化です。用途と目的をセットで覚えると、似たひっかけに強くなります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
野菜は加熱によりどれだけペクチンを分解できるかで硬さや軟らかさが決まります。
食品名と調理方法を覚えておきましょう。
不正解です。
山菜を重曹水でゆでることは、あく抜きの目的で行われます。
不正解です。
れんこんを酢水でゆでることは、軟化の抑制の目的で行われます。
正解です。
黒豆は鉄鍋で煮ることは、より艷やかな黒色を出します。
不正解です。
さつまいもをミョウバン入りの水でゆでることは、色の安定化、煮崩れ防止の目的で行われます。
不正解です。
カリフラワーを酢水でゆでることは、白の発色が良くなる変色防止の目的で行われます。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問63)へ
第39回 問題一覧
次の問題(問65)へ