管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問115 (午後の部 問18)

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問題

管理栄養士試験 第39回(2025年) 問115(午後の部 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

静脈栄養法に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 末梢静脈栄養では、2,500kcal/日の投与ができる。
  • 末梢静脈栄養では、浸透圧比(血漿浸透圧との比)を5とする。
  • 脂肪は、1.5g/kg/時の速度で投与する。
  • 中心静脈栄養では、糖質濃度20%の維持液の使用が可能である。
  • 中心静脈栄養は、経腸栄養に比べてバクテリアルトランスロケーションを起こしにくい。

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この過去問の解説 (2件)

01

経口摂取不可能な患者への栄養投与ルートとして、「経腸栄養」と「経静脈栄養」があります。

経静脈栄養法は予測される投与期間によって、さらに「末梢静脈栄養(PPN)」と「中心静脈栄養(TPN)」とに分けられ、点滴針留置場所・投与できる内容が異なります。

選択肢1. 末梢静脈栄養では、2,500kcal/日の投与ができる。

不正解です。

腕などの末梢静脈から投与されるPPNは1,000Kcal程度が上限となります。

そのため、単独での長期間の栄養管理には適しません。

選択肢2. 末梢静脈栄養では、浸透圧比(血漿浸透圧との比)を5とする。

不正解です。

高浸透圧輸液の投与では静脈炎等のリスクが上がるため、末梢静脈栄養の場合、浸透圧比は最大3.0(900mOsm/L)とされています。

選択肢3. 脂肪は、1.5g/kg/時の速度で投与する。

不正解です。

脂肪乳剤の投与は0.1g/kg/時です。急速投与では高TG血症の発症リスクがあります。

選択肢4. 中心静脈栄養では、糖質濃度20%の維持液の使用が可能である。

正解です。

中心静脈栄養は、心臓に近い大静脈より栄養投与を行う手法です。高カロリー投与が可能なため、長期間の栄養管理にも適しています。

糖質濃度は25%以下のものの使用が可能です。

選択肢5. 中心静脈栄養は、経腸栄養に比べてバクテリアルトランスロケーションを起こしにくい。

不正解です。

バクテリアルトランスロケーションとは、腸粘膜のバリア機能低下により、腸内細菌が血管内へ侵入する現象のことを言います。

長期間にわたり腸管を使用しない中心静脈栄養では腸管機能の低下を起こしやすく、バクテリアルトランスロケーションを起こしやすいと言えます。

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02

「中心静脈栄養では、糖質濃度20%の維持液の使用が可能である。」が最も適当です。

中心静脈は血流が多く希釈が速いため、高浸透圧の糖液(例:20%ブドウ糖)でも安全に投与しやすいからです。

選択肢1. 末梢静脈栄養では、2,500kcal/日の投与ができる。

末梢静脈は高浸透圧に弱く、投与できる糖濃度・量に限界があります。

現実にはおおむね1,000〜1,500kcal/日程度が上限で、2,500kcal/日は過大です。

選択肢2. 末梢静脈栄養では、浸透圧比(血漿浸透圧との比)を5とする。

末梢では静脈炎のリスクがあるため、浸透圧は低め(浸透圧比は概ね3以下)に抑えます。

5は高すぎます。

選択肢3. 脂肪は、1.5g/kg/時の速度で投与する。

脂肪乳剤の投与速度は0.1g/kg/時以下が目安です。

1.5g/kg/時は極端に速く危険です。

選択肢4. 中心静脈栄養では、糖質濃度20%の維持液の使用が可能である。

適切です。

中心静脈では高濃度・高浸透圧の糖液を用いて十分なエネルギーを投与できます。

選択肢5. 中心静脈栄養は、経腸栄養に比べてバクテリアルトランスロケーションを起こしにくい。

逆です。

経腸栄養は腸粘膜・腸内環境を保つため、バクテリアルトランスロケーションを抑えやすいです。

中心静脈栄養のみでは腸の萎縮→リスク増につながることがあります。

まとめ

ポイントは、

 

末梢=低浸透圧・投与量に限界

 

中心=高浸透圧可で高カロリー投与が可能

 

脂肪の投与はゆっくり(0.1g/kg/時以下)

 

腸を使えるときは経腸栄養が腸の防御に有利

 

の4点です。

これらを押さえると、設問の選び分けがしやすくなります。

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