管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問116 (午後の部 問19)

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問題

管理栄養士試験 第39回(2025年) 問116(午後の部 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

77歳、男性。身長160cm、体重45kg、BMI17.6kg/m2。ここ1か月ほど、ほとんど食事を摂れていなかった。3か月前の体重55kg。血液検査結果は、尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。この患者が近医に入院し、1日当たりエネルギー1,500kcal、アミノ酸45g、脂肪20gの静脈栄養が、入院初日から開始された。投与2日後、意識障害に陥り、K病院に転院した。転院時の血液検査結果として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • カリウム値の上昇
  • マグネシウム値の上昇
  • ビタミンB1値の上昇
  • リン値の低下
  • インスリン値の低下

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この過去問の解説 (2件)

01

約1ヶ月間ほとんど食事ができていなかった患者に対する静脈栄養での急速な栄養投与にて、リフィーディング症候群(Refeeding-syndrome)を発症したものと推測できます。

リフィーディング症候群は低リン血症・低カリウム血症・低マグネシウム血症を特徴とし、しばしば意識障害を引き起こします。

選択肢1. カリウム値の上昇

不正解です。

リフィーディング症候群では、低カリウム血症を引き起こします。

選択肢2. マグネシウム値の上昇

不正解です。

リフィーディング症候群では、低マグネシウム血症を引き起こします。

選択肢3. ビタミンB1値の上昇

不正解です。

低栄養時は糖質をエネルギーに変換するため、ビタミンB1の利用が亢進しています。

リフィーディング症候群において、ビタミンB1は欠乏状態になりやすいため注意が必要です。

選択肢4. リン値の低下

正解です。

リフィーディング症候群では、低リン血症を特徴とします。

選択肢5. インスリン値の低下

不正解です。

急速な栄養投与によって膵臓からのインスリン分泌は亢進し、血清インスリン濃度は上昇します。

まとめ

<リフィーディング症候群 ハイリスクの評価>

①以下より1項目以上

 ・BMI16未満

 ・3~6ヶ月以内に15%以上の体重減少あり

 ・10日以上の絶食または経口摂取不良

②以下より2項目以上

 ・BMI18.5未満

 ・3~6ヶ月以内に10%以上の体重減少あり

 ・5日以上の絶食または経口摂取不良

 ・アルコール依存や薬物使用(インスリン、化学療法、利尿薬等)

 

この設問の患者は、1ヶ月の間に18%の体重減少を認めており、また、「1ヶ月間ほぼ食事が取れていなかった」という状況から見ても、リフィーディング症候群発症のハイリスク状態にあったと言えます。

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02

「リン値の低下」が最も適当です。

長期の低栄養後に高糖質の静脈栄養を急に開始すると、インスリンが上がり、リン・カリウム・マグネシウムが細胞内へ取り込まれて血中で低下します(リフィーディング症候群)。

低リン血症は意識障害の原因になります。

選択肢1. カリウム値の上昇

不適当です。

インスリン上昇でカリウムは細胞内へ移動し、血中は低下しやすいです(低K血症)。

選択肢2. マグネシウム値の上昇

不適当です。

マグネシウムも細胞内移行が進み、血中は低下しやすいです(低Mg血症)。

不整脈やけいれんの一因になります。

選択肢3. ビタミンB1値の上昇

不適当です。

高糖質投与でB1需要は増大します。

補給しないと不足(低下)し、意識障害(ウェルニッケ脳症)の誘因になります。

上昇とは言えません。

選択肢4. リン値の低下

適当です。

今回の栄養処方は1日1,500kcalのうち、アミノ酸45g(約180kcal)・脂肪20g(約180kcal)を除くと約1,140kcalが糖質(約285g)です。

糖質負荷でインスリンが上がり、ATP合成や糖代謝にリンが大量に使われ、血中リンが低下します。

低リン血症は意識障害の代表的所見です。

選択肢5. インスリン値の低下

不適当です。

糖質投与でインスリンは上昇します。

低下ではありません。

まとめ

重度の低栄養後は、少量から開始(例:10kcal/kg/日程度)し、リン・K・Mgの補正とビタミンB1の前投与48〜72時間の厳密なモニタリングが重要です。

今回は、高糖質の急速投与→低リン血症という流れを押さえると選びやすい問題です。

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