管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問120 (午後の部 問23)

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問題

管理栄養士試験 第39回(2025年) 問120(午後の部 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

高キロミクロン血症の栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 炭水化物の摂取エネルギー比率を65%E以上とする。
  • 脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。
  • n−3系多価不飽和脂肪酸の摂取を制限する。
  • 果汁飲料の摂取を増やす。
  • アルコールの摂取量の上限を40g/日とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

キロミクロン(カイロミクロン)とは、食事で摂取した脂質(主にトリグリセリド)を、小腸から各組織へと運搬するリポタンパク質です。

キロミクロンの血中量は食事内容や代謝機能によって変動しますが、血中量が異常に増加すると高トリグリセリド血症や急性膵炎等を引き起こすことがあります。

設問の高キロミクロン血症は遺伝的に起こることが多く、食事療法での脂質制限が中心となります。1日の脂質摂取量を15~20g以下または総エネルギー量の15%以下に制限します。

選択肢1. 炭水化物の摂取エネルギー比率を65%E以上とする。

不正解です。

炭水化物エネルギー比を上昇させると、高TG血症に繋がる恐れがあります。高VLDL血症を併発する場合は炭水化物制限も効果的とされています。

選択肢2. 脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。

正解です。

脂質エネルギー比を15%以下にすることが推奨されています。

選択肢3. n−3系多価不飽和脂肪酸の摂取を制限する。

不正解です。

高キロミクロン血症に対する薬物療法として、n-3系不飽和脂肪酸系の薬剤処方は効果的とされています。

選択肢4. 果汁飲料の摂取を増やす。

不正解です。

果汁に含まれる糖質の過剰摂取によって、高トリグリセリド血症を引き起こす可能性があります。

選択肢5. アルコールの摂取量の上限を40g/日とする。

不正解です。

一般的に、食事療法におけるアルコール摂取量は、純アルコール20g以下/日が推奨されます。

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02

「脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。」が最も適当です。

高キロミクロン血症では、食事由来の中性脂肪を運ぶカイロミクロン(キロミクロン)が問題の中心です。

食事脂肪を強く減らすことでカイロミクロンの産生を抑えられます。

併せて糖質(特に果糖)とアルコールを控えること、必要に応じてMCT(中鎖脂肪酸)の活用を検討します。

選択肢1. 炭水化物の摂取エネルギー比率を65%E以上とする。

不適当です。

糖質を多くすると、特に果糖や精製糖で肝臓のVLDL産生が増えて中性脂肪が上がりやすいです。

高キロミクロン血症では糖質は適量・質に配慮(低GI・果糖を控える)が基本です。

選択肢2. 脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。

適当です。

強い脂肪制限(目安10〜15%E)でカイロミクロン産生を抑制します。

必要カロリーは糖質・たんぱく質で補い、消化吸収やエネルギーのためMCTの併用を検討します(MCTは門脈経由でカイロミクロンを介さない)。

選択肢3. n−3系多価不飽和脂肪酸の摂取を制限する。

不適当です。

n−3系脂肪酸(EPA/DHAなど)は中性脂肪低下作用があり、むしろ有用です。

全体として脂肪制限が必要でも、許容量の範囲で質はn−3系を優先します。

選択肢4. 果汁飲料の摂取を増やす。

不適当です。

果汁は果糖が多く中性脂肪を上げやすいため避けます。

水や無糖のお茶を基本にします。

選択肢5. アルコールの摂取量の上限を40g/日とする。

不適当です。

アルコールは肝での中性脂肪合成を促進し、高トリグリセリド血症を悪化させます。

原則禁酒が推奨されます。

まとめ

高キロミクロン血症の栄養管理は、

 

①脂肪を強く制限(10〜15%E)

②糖質は質と量に配慮(果糖・精製糖を控える)

③アルコールは避ける

④必要に応じてMCTやn−3系脂肪酸を活用

 

が柱です。

これらを押さえると、日々の食事選びがしやすくなります。

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