管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問179 (午後の部 問82)
問題文
Kリハビリテーション病院に勤務する管理栄養士である。患者は、67歳、女性。夫は他界しており、娘家族と同居。健診で、高血圧症を指摘されていた。
アテローム血栓性脳梗塞の発症後、急性期病院での治療を経て、右片麻痺に対する運動機能リハビリテーションのために当院へ転院してきた。軽度嚥下障害があるが、軟菜食と液体にはとろみを付けることで対応できている。
脳梗塞の発症前は、身長156cm、体重63kg、BMI25.9kg/m2。食事は、娘が準備しており、間食に自分で買ってきたみたらし団子をよく食べていた。
転院時は、体重55kg、BMI22.6kg/m2。血圧120/62mmHg。血清アルブミン値3.2g/dL、eGFR92mL/分/1.73m2。安静時エネルギー消費量1,100kcal/日。
リハビリを開始して1週間が経過すると、運動はできているが食欲が低下し、約700kcal/日しか摂取できなくなった。リハビリは継続する予定であるが、食欲回復には2週間以上要することを想定して、新たに栄養管理計画を作成することにした。不足分を補うための栄養投与法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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問題
管理栄養士試験 第39回(2025年) 問179(午後の部 問82) (訂正依頼・報告はこちら)
Kリハビリテーション病院に勤務する管理栄養士である。患者は、67歳、女性。夫は他界しており、娘家族と同居。健診で、高血圧症を指摘されていた。
アテローム血栓性脳梗塞の発症後、急性期病院での治療を経て、右片麻痺に対する運動機能リハビリテーションのために当院へ転院してきた。軽度嚥下障害があるが、軟菜食と液体にはとろみを付けることで対応できている。
脳梗塞の発症前は、身長156cm、体重63kg、BMI25.9kg/m2。食事は、娘が準備しており、間食に自分で買ってきたみたらし団子をよく食べていた。
転院時は、体重55kg、BMI22.6kg/m2。血圧120/62mmHg。血清アルブミン値3.2g/dL、eGFR92mL/分/1.73m2。安静時エネルギー消費量1,100kcal/日。
リハビリを開始して1週間が経過すると、運動はできているが食欲が低下し、約700kcal/日しか摂取できなくなった。リハビリは継続する予定であるが、食欲回復には2週間以上要することを想定して、新たに栄養管理計画を作成することにした。不足分を補うための栄養投与法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 経口栄養補助食品
- 経鼻胃管栄養法
- 末梢静脈栄養法
- 中心静脈栄養法
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この過去問の解説 (3件)
01
必要栄養量は、食欲低下に伴うリハビリ強度の低下を考慮しても、1,300〜1,700Kcal/日程度と想定されます。
半量以下・1,000Kcal/日以下しか摂取できていないことより、リハビリ継続のための十分な栄養投与方法を検討する必要があります。
設問内では2週間以上の回復期間を要すると想定されていることから、栄養投与ルートのうち、2週間以上の管理が可能なものを選択する必要があります。
経鼻胃管栄養法:消化管が使用できる場合であって、4週間以内の短期間の栄養補給に適す
末梢静脈栄養法:10日以上2週間未満の栄養補給に適す
中心静脈栄養法:2週間を超えての栄養補給に適す。高カロリー輸液の投与が可能
設問の患者は食欲低下はあるものの全く消化管が使えないわけではない。消化管が使えるうちは絶食にする必要性はない(小腸絨毛萎縮を招く)ため、静脈栄養法の選択は避けるべきと考えられます。
✕ 不正解です。
経口栄養補助食品の追加も検討の余地はありますが、
経口栄養補助食品1製剤あたり100〜400Kcal程度であることを考えると、
1,300〜1,700Kcalを摂取するためには、1日に多数の摂取が必要となります。
食欲が低下している中、全量摂取ができるかどうか不明なため、選択肢としての優先度は低くなります。
○ 正解です。
経鼻経管栄養法を取り入れ、胃に直接高エネルギーの栄養剤を投与することで、食欲低下中でも十分な栄養量の確保が可能です。
✕ 不正解です。
上述の通り、2週間以上の管理が見込まれることより、末梢静脈栄養法は選択となりません。
✕ 不正解です。
中心静脈栄養を選択する場合は腸管が使えないことを前提としている場合が多く、また特別な処置も必要とすることから、選択肢の優先度は低くなります。
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02
患者はリハビリによるエネルギー需要が増加している一方、食欲の低下で700kcal/日しか摂れていません。
さらにその状態が2週間以上続く見込みで、経口摂取のみでの改善は難しいと考えられます。
したがって、消化管を使いながら確実に必要量を補える経鼻胃管栄養法が最適です。
×不正解です
患者は約700kcal/日しか摂れておらず、大幅なエネルギー不足が続いています。
食欲低下が2週間以上見込まれているため経口栄養補助食品だけでは必要カロリー(約1400~1600kcal)には届きません。
改善が期待しにくいため不適切です。
〇正解です
軽度嚥下障害はありますが消化管は使用可能です。
経口摂取との併用で必要エネルギーを確実に補うことができます。
食欲低下が長期化する予定のとき、数週間の栄養補給に非常に適しています。
リハビリ継続のためにも、早期の適切な栄養投与が重要です。
×不正解です
末梢からは高濃度の栄養を投与できず、十分なエネルギーを補うことができません。
長期使用すると血管炎などのリスクが高くなります。
消化管が使用できる段階では選ぶべき方法ではありません。
×不正解です
消化管が使えない場合が主な適応であり、感染リスクも高いため現状では不必要にハイリスクです。
短期間の食欲低下に対して選択するのは不適切です。
患者の状況に応じて適切な栄養管理計画を立てられるようにしましょう。
消化管が使用可能である場合には中心静脈栄養・末梢静脈栄養等の静脈からの経管栄養は選択しません。
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03
「経鼻胃管栄養法」が最も適切です。
消化管は使えているのに必要量の50%未満(約700kcal/日)しか摂れておらず、しかも2週間以上不足が続く見込みです。
消化管が使えるときは経口→経管(経鼻)→静脈の順で検討します。
今回は確実に不足分を補える経鼻胃管栄養が適切です。
まず試す価値はありますが、現在700kcal/日と大きく不足し、2週間以上の不足が続く見込みです。
食欲低下が強い状況では、補助食品だけでは必要量の到達が難しいことが多く、確実性に欠けます。
消化管が機能しており、短~中期(数週間)で不足分を安定して補給できます。
嚥下は軟菜・とろみで対応できていますが、摂取量が著しく不足しているため、経管での追加投与が妥当です。
高濃度の栄養を入れにくく、エネルギー充足が不十分になりやすいです。
短期間の補助には用いますが、今回のように2週間以上の不足をしっかり埋める目的には向きません。
消化管が使えない場合の選択です。
感染や合併症のリスクも高く、消化管が使える本例では優先されません。
本例はリハビリ継続中でエネルギー必要量に対して大幅に不足し、2週間以上の継続が見込まれます。
原則として使える腸は使うため、まずは経鼻胃管栄養で不足分を確実に補い、経口摂取の回復に合わせて段階的に経口へ移行していく方針が適切です。
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