管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問181 (午後の部 問84)
問題文
K透析クリニックに勤務する管理栄養士である。患者は、68歳、男性。15年前から高血圧症とCKDで通院加療し、食事療法を続けてきたが、病態が悪化してきたため当クリニックに転院し、週3回の血液透析に移行した。
身長165cm、ドライウェイト65kg、標準体重60kg。尿量300mL/日。血圧170/95mmHg。透析開始前の血液検査値は、総たんぱく質6.8g/dL、アルブミン3.3g/dL、尿素窒素86mg/dL、クレアチニン8.6mg/dL、ナトリウム140mEq/L、カリウム5.2mEq/L、リン4.8mg/dL、HbA1c5.5%。
血液透析導入後の食事について、栄養食事指導を行った。この患者における指示たんぱく質量と指示カリウム量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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問題
管理栄養士試験 第39回(2025年) 問181(午後の部 問84) (訂正依頼・報告はこちら)
K透析クリニックに勤務する管理栄養士である。患者は、68歳、男性。15年前から高血圧症とCKDで通院加療し、食事療法を続けてきたが、病態が悪化してきたため当クリニックに転院し、週3回の血液透析に移行した。
身長165cm、ドライウェイト65kg、標準体重60kg。尿量300mL/日。血圧170/95mmHg。透析開始前の血液検査値は、総たんぱく質6.8g/dL、アルブミン3.3g/dL、尿素窒素86mg/dL、クレアチニン8.6mg/dL、ナトリウム140mEq/L、カリウム5.2mEq/L、リン4.8mg/dL、HbA1c5.5%。
血液透析導入後の食事について、栄養食事指導を行った。この患者における指示たんぱく質量と指示カリウム量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- たんぱく質(g/日):35 カリウム(mg/日):1,500
- たんぱく質(g/日):70 カリウム(mg/日):1,500
- たんぱく質(g/日):35 カリウム(mg/日):2,000
- たんぱく質(g/日):70 カリウム(mg/日):2,000
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この過去問の解説 (3件)
01
血液透析中の食事療法に関する設問です。
透析導入前と透析導入後では、食事療法は大きく変化します。
透析導入前:腎機能保護を目的に、たんぱく制限・塩分制限・カリウム制限・リン制限、その他病態に合わせた食事療法を実施。
↓
透析導入後:透析中の体力維持・合併症予防を目的とし、栄養素の透析液への漏出を考慮し、食事制限は透析前よりも緩和。
日本腎臓学会による、慢性腎臓病に対する食事療法ガイドラインでは、
カリウム制限:≦2000mg/日以下
たんぱく質:0.9〜1.2g/kgDW/日
とされています。
たんぱく質はドライウェイト65kgであることから、58.5g〜78g/日となります。
✕ 不正解です。
✕ 不正解です。
✕ 不正解です。
○ 正解です。
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02
患者さんは透析導入後であり、透析期の食事療法が適応されます。
日本腎臓学会ガイドラインでは、血液透析患者に対して以下を推奨しています。
たんぱく質:0.9〜1.2 g/kg標準体重/日
→ 標準体重60kgのため
54〜72 g/日が目安となります。
カリウム:≦2,000 mg/日を基本に、血清K値に応じて調整
→ 本例のK=5.2mEq/Lはやや高値ですが、透析によりカリウムは除去され、
2,000mg/日程度は許容範囲です。
以上から、透析患者としての栄養状態を維持するためには十分なたんぱく質量が必要であり、カリウムも過度に制限する必要はありません。
×不正解です
たんぱく質35gは標準体重60kgに対して 0.6 g/kg/日 程度であり、
ガイドライン推奨(0.9〜1.2 g/kg)を大きく下回ります。
透析患者では栄養障害につながるため不適切です。
×不正解です
たんぱく質70gはガイドラインの推奨量(54〜72 g)範囲内で適切です。
カリウム1,500mgも基準内ですが、本例は血清カリウム5.2mEq/Lと軽度上昇で、
1,500〜2,000mgのどちらでも対応可能な状況です。
ただし、最適解としては4の方がより適切です。
×不正解です
たんぱく質不足が明らかで、推奨量を満たさず不適切です。
たんぱく質不足は透析患者のサルコペニアや低栄養リスクを高めます。
〇正解です
ガイドライン推奨の
・たんぱく質 1.0〜1.2 g/kg/日(60〜72g)
・カリウム 1,500〜2,000mg/日
の両方を満たす組合せです。
血清Kがやや高めでも、透析で十分に除去されるため2,000mg/日は許容範囲です。
栄養状態維持の点でも最もバランスが良く、ガイドラインに最も合致しています。
慢性腎臓病(CKD)は透析導入前後で食事療法が異なります。
導入前と後で異なる部分としては
①エネルギー必要量の増加
②水分制限・リン制限が加わる
③他栄養素は制限が緩和される
の3つがあげられます。
正しく理解しておきましょう。
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03
「たんぱく質(g/日):70 カリウム(mg/日):2,000」が最も適切です。
維持透析(血液透析)では、たんぱく質は標準体重あたり1.0~1.2g/kg/日が目安です。
標準体重60kgなので60~72g/日が妥当で、アルブミン3.3g/dLと低めなことも踏まえ70g/日が適切です。
カリウムは維持透析ではおおむね2,000mg/日(40~60mEq/日)を基準にし、値が高止まりするなら個別に厳格化します。
本例は透析導入直後で5.2mEq/Lとやや高めですが、まずは2,000mg/日からの管理が標準です。
35gは約0.6g/kg/日で不足です。
PEW(栄養不良)やサルコペニアのリスクを高め、低アルブミンの改善にも不十分です。
たんぱく質は適正範囲ですが、カリウム1,500mg/日は高カリウムが持続する場合の厳しめ設定です。
導入直後の標準的な開始基準としては2,000mg/日が一般的です。
カリウムは標準的ですが、たんぱく質が明らかに不足です。
たんぱく質1.0~1.2g/kg/日の範囲内で、低アルブミンの改善も意識できます。
カリウム2,000mg/日は維持透析の基本的な出発点で、以後は血清K値や尿量を見ながら1,500mg/日程度に調整します。
維持透析では、十分なたんぱく質(1.0~1.2g/kg標準体重/日)と、カリウムはまず2,000mg/日前後を基準にし、検査値に応じて微調整します。
本症例は標準体重60kg・アルブミン低めのため、たんぱく質70g/日、カリウムは2,000mg/日が最も適切です。
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