管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問186 (午後の部 問89)
問題文
K総合病院の在宅診療部に勤務する管理栄養士である。患者は、76歳、独居男性。脳梗塞後遺症により要支援1。嚥下機能に問題はない。高血圧症のため通院加療を続けていた。最終通院時、血圧112/68mmHg、身長167cm、体重62kg、BMI22.2kg/m2。
1週間前に、発熱、咽頭痛が生じ、近医を受診したところ、新型コロナウイルス感染症と診断された。自宅での薬物療法により、発熱、咽頭痛は改善された。解熱鎮痛薬服用6日目に、心窩部痛と食欲不振が出現した。翌日になっても症状が改善しないため、近医から当院に連絡があり、担当医が男性宅を訪問し、診療した。
口渇を訴えているものの、心窩部痛があるため市販のゼリー飲料と経口補水液のみを摂取していた。尿検査を行ったところ、濃縮尿であった。入院加療の必要性はないと担当医が判断し、在宅で加療することとなった。
担当医の訪問から4日目になると食欲が出てきて、患者は訪問介護員に食材の購入依頼を行い、おかゆを少しずつ食べ始めていた。数日後に訪問看護師から「心窩部痛はあるものの、全身状態が改善している。おかゆの他に何か食べたそうにしている。」と連絡があった。患者が希望する副食のうち、管理栄養士が勧めるものとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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問題
管理栄養士試験 第39回(2025年) 問186(午後の部 問89) (訂正依頼・報告はこちら)
K総合病院の在宅診療部に勤務する管理栄養士である。患者は、76歳、独居男性。脳梗塞後遺症により要支援1。嚥下機能に問題はない。高血圧症のため通院加療を続けていた。最終通院時、血圧112/68mmHg、身長167cm、体重62kg、BMI22.2kg/m2。
1週間前に、発熱、咽頭痛が生じ、近医を受診したところ、新型コロナウイルス感染症と診断された。自宅での薬物療法により、発熱、咽頭痛は改善された。解熱鎮痛薬服用6日目に、心窩部痛と食欲不振が出現した。翌日になっても症状が改善しないため、近医から当院に連絡があり、担当医が男性宅を訪問し、診療した。
口渇を訴えているものの、心窩部痛があるため市販のゼリー飲料と経口補水液のみを摂取していた。尿検査を行ったところ、濃縮尿であった。入院加療の必要性はないと担当医が判断し、在宅で加療することとなった。
担当医の訪問から4日目になると食欲が出てきて、患者は訪問介護員に食材の購入依頼を行い、おかゆを少しずつ食べ始めていた。数日後に訪問看護師から「心窩部痛はあるものの、全身状態が改善している。おかゆの他に何か食べたそうにしている。」と連絡があった。患者が希望する副食のうち、管理栄養士が勧めるものとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 麻婆豆腐
- 筑前煮
- ビーフシチュー
- とりつくね煮
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この過去問の解説 (3件)
01
患者は、『食欲は改善してきているが未だ心窩部痛はある』という回復段階にあり、刺激物や食物繊維の多いもの・脂質の多いもの等は避けて、メニュー提案をするべきと考えられます。
✕ 不正解です。
香辛料や辛味により心窩部痛を助長する可能性があり、勧めません。
✕ 不正解です。
根菜類も多く使用する料理であり、やや消化負担がかかると考えられることから、推奨
はしません。
✕ 不正解です。
シチュー等ルーを使用する料理は脂質が多く消化負担がかかるため、推奨しません。
○ 正解です。
脂質の少ない鶏ひき肉を使用した煮込み料理であれば、消化負担も軽くなると考えられます。
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02
この患者さんはおかゆを少しずつ食べられるようになってきています。
しかし、まだ心窩部痛が持続しているため、消化の良い副食を選ぶ必要があります。
嚥下機能には問題がないので、「やわらかさ」よりも「刺激の少なさ」「脂質の少なさ」「消化のしやすさ」が選択のポイントになります。
×不正解です
一見豆腐でやわらかい料理ですが、唐辛子やにんにくなどの香辛料が含まれ、刺激が強い料理です。
胃痛が残る回復期には、こういった刺激物は避けるべきであり、今回の患者さんには適していません。
×不正解です
れんこん・ごぼう・にんじんなどの根菜類が多く、食物繊維が豊富で硬さも残りやすいため、消化に時間がかかります。
しばらく低栄養状態で胃腸が弱っていた患者さんが食べるには負担が大きい料理です。
×不正解です
牛肉の脂質が多いだけでなく、シチューのルウ自体も油分が多く、こってりしているため胃への負担がかなり大きくなります。
回復期の食事としては不向きです。
〇正解です
鶏ひき肉を使用しており、脂肪が少なく柔らかく仕上がるため、消化が良い料理です。
味付けも比較的あっさりしていることが多く、心窩部痛が残る状況でも食べやすい副食として適しています。
おかゆの次のステップとして最も取り入れやすい食品といえます。
患者さんは食欲が戻りつつありますが、心窩部痛が残っているため、刺激や脂質が少なく消化の良い副食を選ぶことが重要です。
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03
「とりつくね煮」が最も適切です。
回復途中で心窩部痛が続いているため、やわらかい・脂質が少ない・刺激が弱い料理が合います。
とりつくね煮は鶏ひき肉が主でやわらかく、味付けも穏やかにしやすいので、粥と合わせて食べやすく消化に優しい副食として適切です。
豆腐はやわらかいですが、一般的な麻婆豆腐は唐辛子や花椒などの香辛料が強く、油も多めです。
胃粘膜を刺激しやすく、腹痛がある時期には不向きです。
ごぼう・れんこん・にんじん・こんにゃくなど不溶性食物繊維が多く、噛みごたえが強い具材が中心です。
消化に時間がかかり、腹部症状が残る段階では負担になりやすいです。
牛肉やバター・小麦粉のルウで脂質が多く、こってりしています。
胃もたれや痛みを悪化させる可能性があり、回復期の初期には避けたい料理です。
鶏ひき肉の低脂肪たんぱく質をやわらかく煮含めるため、噛みやすく消化に優しいです。
味付けを薄味に調整しやすく、粥との相性も良いので現在の状況に最も合います。
腹部症状が残る回復期は、刺激・脂質・不溶性繊維を控え、やわらかく消化の良い料理を選ぶことが大切です。
まずはとりつくね煮のような低脂肪でやさしい副食から始め、体調を見ながら量と品目を段階的に増やすと安心です。
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