管理栄養士 過去問
第39回(2025年)
問198 (午後の部 問101)

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問題

管理栄養士試験 第39回(2025年) 問198(午後の部 問101) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

K県健康増進課の管理栄養士である。K県では、全国に比べて、男女ともに脳血管疾患と虚血性心疾患の年齢調整死亡率が高い。また、K県では、全国に比べて、男女ともに20歳以上の野菜摂取量の年齢調整平均値が低く、食塩摂取量の年齢調整平均値が高い。

K県における高血圧症、脂質異常症、糖尿病の20歳以上の有病者数を推計するためのデータとして、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 人口動態調査による死亡の原因
  • 患者調査による入院・外来の推計患者数
  • 国民健康・栄養調査に準じる方法で行った県民健康・栄養調査の身体状況調査結果
  • 国民生活基礎調査(大規模調査年)における傷病による通院の状況
  • レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の特定健康診査データ

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この過去問の解説 (3件)

01

年齢調整死亡率とは、異なる集団間で死亡状況を比較するために、年齢構成を調整した死亡率のことを言います。

K県では、脳血管疾患・虚血性心疾患の死亡率が全国平均と比べて高く、要因として『野菜摂取量不足』『塩分摂取量過多』が伺えます。

リスク因子となる生活習慣病の有病者数を調べるための手段では、K県に特化したデータを検討できると効果的です。

選択肢1. 人口動態調査による死亡の原因

✕ 不正解です。

人口動態調査とは、出生・死亡・婚姻・離婚・死産の事象を把握し、人口や施策の基礎資料を得る目的の統計調査です。

K県における基礎疾患の有病者数を知ることはできません。

選択肢2. 患者調査による入院・外来の推計患者数

✕ 不正解です。

入院外来の推計患者数の把握では、基礎疾患の有病者数は割り出しにくいです。

選択肢3. 国民健康・栄養調査に準じる方法で行った県民健康・栄養調査の身体状況調査結果

○ 正解です。

県民健康・栄養調査を実施することで、基礎疾患の有病者数を推計することができます。

選択肢4. 国民生活基礎調査(大規模調査年)における傷病による通院の状況

✕ 不正解です。

傷病による通院の状況から基礎疾患の有病者数を推計することはできますが、K県独自のデータとはなりません。

選択肢5. レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の特定健康診査データ

✕ 不正解です。

NDBデータベースとは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、医療費適正化計画の作成・実施。評価のための調査や分析をするものです。特定健診・特定保健指導情報も含まれますが、これらは40歳以上が対象であり、20歳以上の有病者数を推計したいK県の利用するデータとしては適しません。

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02

「国民健康・栄養調査に準じる方法で行った県民健康・栄養調査の身体状況調査結果。」が最も適切です。
有病者数の推計には、20歳以上を広く含み、実測データ(血圧・採血など)から有病者率を算出できる資料が最も向いています。

県が国民健康・栄養調査に準じて実施した県民調査なら、県内の有病者率→県人口に掛けて有病者数を推計できます。

選択肢1. 人口動態調査による死亡の原因

得られるのは死亡者の原因であり、生きている人の有病者数(有病率)は分かりません。

死亡率=有病者数ではありません。

選択肢2. 患者調査による入院・外来の推計患者数

把握できるのは医療機関を受診している人の数で、未受診の有病者は含まれにくいです。

真の有病者数の推計には不向きです。

選択肢3. 国民健康・栄養調査に準じる方法で行った県民健康・栄養調査の身体状況調査結果

年齢20歳以上を対象に、血圧・脂質・血糖などを実測でき、有病者率を直接推定できます。

さらに県内データなので、県の有病者数推計にそのまま使えます。

選択肢4. 国民生活基礎調査(大規模調査年)における傷病による通院の状況

自己申告ベースの通院状況で、診断の有無や重症度の判定が限定的です。

病名区分も粗く、高血圧・脂質異常症・糖尿病の精確な有病者率には使いにくいです。

選択肢5. レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の特定健康診査データ

特定健診は原則40~74歳が対象で、20歳以上の全体をカバーしません。

高齢の後期(75歳以上)や20~39歳が抜けるため、本問の目的に合いません。

まとめ

有病者数の推計には、対象年齢を広く含み、実測値から有病者率を推定できるデータが最適です。

したがって、県が実施した国民健康・栄養調査準拠の身体状況調査結果を用い、有病者率×県人口で高血圧症・脂質異常症・糖尿病の有病者数を推計するのが適切です。

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03

K県では、循環器疾患の死亡率が高く、その背景として野菜不足・食塩摂取過多など生活習慣の問題が示唆されています。
今回は「高血圧・脂質異常症・糖尿病の有病者数を推計する」ために、どのデータを優先的に使うべきかを考える問題です。

 

有病者数の推計では、

・健康状態を把握できる調査

・県民全体を代表できるデータ

が重要です。

 

そのためには、特定健診の対象(40〜74歳)に限らず、全年齢を含む健康・栄養状態を把握できる調査が適しています。

選択肢1. 人口動態調査による死亡の原因

×不正解です

死亡した人の「死因」であり、現在生きている人の病気の有無(有病者数)は分かりません。

有病者数の推計には不適切です。

選択肢2. 患者調査による入院・外来の推計患者数

×不正解です

医療機関に来院した人のデータのため、受診していない有病者が把握できません。
有病者数の推計としては偏りが生じる可能性があるため不適切です。

選択肢3. 国民健康・栄養調査に準じる方法で行った県民健康・栄養調査の身体状況調査結果

正解です

国民健康・栄養調査と同様に、

・血圧

・血液検査(脂質・血糖等)

・栄養状態
などが評価され、高血圧・脂質異常症・糖尿病の有病状況を把握できる代表性のあるデータです。
全年齢を対象に含めるため、県全体の疾患状況把握に最適です。

選択肢4. 国民生活基礎調査(大規模調査年)における傷病による通院の状況

×不正解です

自己申告によるもので、通院していても診断の確実性が低く、有病者数を推計するには不十分です。

選択肢5. レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の特定健康診査データ

×不正解です

健診データとして有用ですが、40~74歳の特定健診対象者のみに限られます。
今回は「県全体の20歳以上の有病者」を推計するため、対象が狭く不適切です。

まとめ

有病者数の推計には、健康状態(血圧・血糖・脂質など)を直接把握できる代表データが必要です。

特定健診データは年齢対象が限られるため、県全体の把握には不十分です。

国民健康・栄養調査に準じた県民調査は、全年齢を網羅し、疾患の有病状況を把握できる点で最も適切といえます。

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