管理栄養士 過去問
第40回(2026年)
問2 (社会・環境と健康 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

管理栄養士試験 第40回(2026年) 問2(社会・環境と健康 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

温熱指標である湿球黒球温度に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 熱輻射のことである。
  • 湿球黒球温度の算出式において、黒球温度の影響は湿球温度より大きい。
  • 屋外の湿球黒球温度は、乾球温度に係数を乗じた値を屋内の値から減じて算出する。
  • 31℃では、運動は原則中止である。
  • 21~25℃で運動する場合、適宜水分と塩分の補給が必要である。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

湿球黒球温度(WBGT)とは、熱中症を予防することを目的とした指標のことです。

選択肢1. 熱輻射のことである。

不正解です。

熱輻射とは熱の伝わり方の1つで、物体から熱エネルギーが電磁波として放出される現象のことです。

 

例として「太陽」が挙げられます。

選択肢2. 湿球黒球温度の算出式において、黒球温度の影響は湿球温度より大きい。

不正解です。

湿球黒球温度の算出式において最も影響が大きいのは湿球温度です。

 

湿球黒球温度は「黒球温度」「湿球温度」「乾球温度」の測定値をもとに算出されます。

 

屋外での算出式は

WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

 

屋内での算出式は

WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

 

と、なります。

選択肢3. 屋外の湿球黒球温度は、乾球温度に係数を乗じた値を屋内の値から減じて算出する。

屋外での算出式は

WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

 

屋内での算出式は

WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

 

と、なります。

 

よって屋内の値から減じて算出することはありません。

選択肢4. 31℃では、運動は原則中止である。

正解です。

選択肢5. 21~25℃で運動する場合、適宜水分と塩分の補給が必要である。

運動に関する指針で

WBGT21℃未満で安全(適宜水分補給)、21~25℃で注意(積極的水分補給)、25~28℃で警戒(積極的休息)、28~30℃で厳重警戒(激しい運動は中止)、31℃以上で危険(運動は原則中止)と、なっています。

参考になった数19

02

以下の情報を元に解説していきます。(参考資料:環境省 熱中症予防情報サイト)

 

◆湿球黒球温度(WBGT)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 

単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。 

 

◆WBGTは人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、

人体の熱収支に与える影響の大きい

①湿度

②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境

③気温

の3つを取り入れた指標です。 

 

◆【WBGTの基本計算式】

WBGTは屋外と屋内で計算式が異なります。 

屋外の場合
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

屋内の場合
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

 

 

◆【運動に関する指針】

気温
(参考)
暑さ指数
(WBGT)
熱中症予防運動指針
35℃以上31以上運動は原則中止特別の場合以外は運動を中止する。
特に子どもの場合には中止すべき。
31℃以上3
5℃未満
28以上
31未満
厳重警戒
(激しい運動は中止)
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。
暑さに弱い人(体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人など)は
運動を軽減または中止。
28℃以上
31℃未満
25以上
28未満
警戒
(積極的に休憩)
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
24℃以上
28℃未満
21以上
25未満
注意
(積極的に水分補給)
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
24℃未満21未満ほぼ安全
(適宜水分補給)
通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より
 

選択肢1. 熱輻射のことである。

×不正解です。

 

熱輻射は、物体が持つ熱エネルギーによって生じる電磁波の放射です。

 

気体、液体、固体のいずれの状態でも発生し、特に室温では赤外線が主成分となります。

身近なもので例えるとストーブや電気ヒーターで、暖房器具や冷暖房システムにおいて重要な役割を果たします。

選択肢2. 湿球黒球温度の算出式において、黒球温度の影響は湿球温度より大きい。

×不正解です。

 

湿球黒球温度の算出式において最も影響が大きいのは湿球温度です。

 

屋外の場合
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

屋内の場合
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

 

上記算出方法を見てもらえるとわかると思いますが、屋内外ともに黒球温度より湿球温度の方が乗じる数字が大きいことがわかります。

選択肢3. 屋外の湿球黒球温度は、乾球温度に係数を乗じた値を屋内の値から減じて算出する。

×不正解です。

 

屋内外それぞれ算出方法があります。

 

屋外の場合
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

屋内の場合
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

選択肢4. 31℃では、運動は原則中止である。

◯正解です。

選択肢5. 21~25℃で運動する場合、適宜水分と塩分の補給が必要である。

×不正解です。

 

21~25℃で運動する場合、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する、が正しい解になります。

 

【運動に関する指針】参照

気温
(参考)
暑さ指数
(WBGT)
熱中症予防運動指針
24℃以上
28℃未満
21以上
25未満
注意
(積極的に水分補給)
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する
24℃未満21未満ほぼ安全
(適宜水分補給)
通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

⚠️注意すべき点は、この解で示されている温度(21~25℃)は気温ではなく、湿球黒球温度(WBGT)という点です。

℃がついているので、気温だと勘違いすると間違う可能性があるので注意が必要です。

参考になった数1

03

湿球黒球温度とは暑さ指数(WBGT)とも呼ばれます。

 

黒玉温度

黒い空洞の銅球体を用意し、中の温度を計測します。

弱風時の日なたの体感温度と相関します。

 

湿球温度

湿らせたガーゼを温度計に巻いて観測します。

ガーゼの水分が蒸発した際の冷却熱との関係性があります。

空気が乾いた時ほど乾球温度と差が生まれます。

 

乾球温度

温度計を用いて気温を測定します。

選択肢1. 熱輻射のことである。

不正解です。

熱輻射とは主に赤外線などのことを指します。

物体が発する熱のことで、真夏にアスファルトの近くが暑いのは輻射熱の効果です。

選択肢2. 湿球黒球温度の算出式において、黒球温度の影響は湿球温度より大きい。

不正解です。

 

野外では

0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

 

屋内では

0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

 

どちらも湿球温度のほうが影響が大きく示されます。

選択肢3. 屋外の湿球黒球温度は、乾球温度に係数を乗じた値を屋内の値から減じて算出する。

不正解です。

 

野外では

0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

 

屋内では

0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

 

屋外では乾球湿度係数を加算して計算します。

屋外に比べ、屋内のほうが黒玉温度の影響が大きく算出されます。

選択肢4. 31℃では、運動は原則中止である。

正解です。

31は運動は原則中止です。

選択肢5. 21~25℃で運動する場合、適宜水分と塩分の補給が必要である。

不正解です。

21以上~25未満は注意(積極的に水分補給)となります。

適宜水分・塩分補給は21未満の指標です。

まとめ

3つの測定値から成り立っていることと、屋外、屋内で算出方法が違うことを覚えておきましょう。

参考になった数0