管理栄養士 過去問
第40回(2026年)
問19 (人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問3)

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問題

管理栄養士試験 第40回(2026年) 問19(人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

脂肪酸に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 短鎖脂肪酸は、炭素数8~10の脂肪酸である。
  • α─リノレン酸は、オレイン酸よりも融点が高い。
  • パルミチン酸は、ステアリン酸よりも融点が高い。
  • リノール酸は、n─3系不飽和脂肪酸である。
  • イコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸)から、ロイコトリエンが生じる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、脂肪酸の分類(炭素数や二重結合の数)、物理的特性(融点)、そして体内の代謝にいたるまで、基礎栄養学での重要ポイントが詰まった総合問題です。

一見すると覚えることが多くて複雑そうに見えますが、国試を攻略するカギは「融点を決める2つの大原則」と、「n-3系とn-6系の色分け」を正しく理解することです。

それぞれの選択肢がどのルールに当てはまるのか、ポイントを整理しながら解説を読んでいきましょう。

 

【脂肪酸の融点(固まりやすさ)の2大原則】

◆炭素数が増えるほど、融点は【高く】なる!(重くなるから固まりやすい)

・パルミチン酸(C16) < ステアリン酸(C18)

◆二重結合が増えるほど、融点は【低く】なる!(構造が折れ曲がって隙間ができるからサラサラになる)

・ステアリン酸(0個:約70℃でやっと溶ける固形)

・オレイン酸(1個:約13℃で溶ける)

・リノール酸(2個:約-5℃で溶ける)

・α-リノレン酸(3個:約-11℃でも凍らないサラサラの液体)

 

【間違えやすい2種類】

◆リノール酸(二重結合2個) → n-6系

◆α-リノレン酸(二重結合3個) → n-3系

覚え方のコツとして、「リノ【レン】酸の『レン』は、n-3(ス【リー】)の『レ』!」のように、言葉の響きで強制的にn-3系へ結びつけさせると、ケアレスミスを防ぐことができます。

選択肢1. 短鎖脂肪酸は、炭素数8~10の脂肪酸である。

✕不正解です。

 

短鎖脂肪酸は、炭素数8~10の脂肪酸である。    が誤りです。

理由: 炭素数8〜10のものは「中鎖脂肪酸」だからです。

 

脂肪酸は炭素の数(長さ)で以下のように分類されます。

短鎖脂肪酸: 炭素数 2〜4(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)

中鎖脂肪酸: 炭素数 6〜12(カプリロン酸、カプリン酸など。選択肢の8〜10はここに含まれます)

長鎖脂肪酸: 炭素数 14以上(パルミチン酸、オレイン酸など)

選択肢2. α─リノレン酸は、オレイン酸よりも融点が高い。

✕不正解です。

 

◆α─リノレン酸は、オレイン酸よりも融点が高い。     が誤りです。

理由: α-リノレン酸のほうが融点が低い(固まりにくい)からです。

 

不飽和脂肪酸(二重結合を持つ脂肪酸)は、「二重結合の数が多いほど、融点が低くなる(常温でサラサラの液体になる)」というルールがあります。

オレイン酸:二重結合が 1個

α-リノレン酸:二重結合が 3個

したがって、二重結合の多いα-リノレン酸のほうが融点は低くなります。

選択肢3. パルミチン酸は、ステアリン酸よりも融点が高い。

✕不正解です。

 

◆パルミチン酸は、ステアリン酸よりも融点が高い」     が誤りです。

理由: パルミチン酸のほうが融点が低いからです。

 

飽和脂肪酸(二重結合を持たない脂肪酸)は、「炭素の数が少ない(鎖が短い)ほど、融点が低くなる」というルールがあります。

パルミチン酸:炭素数 16

ステアリン酸:炭素数 18

したがって、炭素数が少ないパルミチン酸のほうが融点は低くなります。

選択肢4. リノール酸は、n─3系不飽和脂肪酸である。

✕不正解です。

 

◆「リノール酸は、n─3系不飽和脂肪酸である。     が誤りです。

理由: リノール酸は n-6系(ω-6系)不飽和脂肪酸だからです。

 

国試の超定番の引っ掛け問題です。

植物油に多いリノール酸やアラキドン酸は n-6系、魚油に多いEPAやDHA、エゴマ油に多いα-リノレン酸が n-3系 です。

選択肢5. イコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸)から、ロイコトリエンが生じる。

◯正解です。

 

理由: EPA(イコサペンタエン酸)やアラキドン酸などの20炭素脂肪酸は、細胞膜から切り出された後、リポキシゲナーゼ経路によって「ロイコトリエン」へと代謝されるからです。

アラキドン酸からは5系のロイコトリエンが、EPA(イコサペンタエン酸)からは3系のロイコトリエンが合成されます。

生理活性物質(エイコサノイド)の合成ルートとして正しい記述のため、正解となります。

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02

脂肪酸は炭素の結合の仕方により、種類が分かれます。

 

飽和脂肪酸

炭素が単結合の見の脂肪酸。

常温で固形になりやすく、動物油脂に多い。

 

一価不飽和脂肪酸

一つだけ炭素が二重結合している脂肪酸。

オメガ9とも呼ばれオレイン酸などが代表。

 

多価不飽和脂肪酸

炭素の二重結合が複数ある脂肪酸。

α-リノレン酸、EPA、DHA、リノール酸、アラキドン酸など。

選択肢1. 短鎖脂肪酸は、炭素数8~10の脂肪酸である。

不正解です。

6以下のものを短鎖脂肪酸と言います。

選択肢2. α─リノレン酸は、オレイン酸よりも融点が高い。

不正解です。

融点(液体になる温度)は二重結合が多いほど(不飽和であるほど)低いです。

 

オレイン酸は一価不飽和脂肪酸(二重結合が1つ)

α─リノレン酸は多価不飽和脂肪酸(二重結合が2つ以上)

 

なので、α─リノレン酸のほうが融点が低いです。

選択肢3. パルミチン酸は、ステアリン酸よりも融点が高い。

不正解です。

どちらも二重結合をもたない、飽和脂肪酸ですが、炭素の数に違いがあります。

炭素数が少ないほど融点(液体になる温度)は低いです。

 

パルミチン酸:炭素数16

ステアリン酸:炭素数18

選択肢4. リノール酸は、n─3系不飽和脂肪酸である。

不正解です

n-6系不飽和脂肪酸です。

選択肢5. イコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸)から、ロイコトリエンが生じる。

正解です。

ロイコトリエンは体内で生成され、炎症やアレルギー反応を起こしますが、イコサペンタエン酸から生じるロイコトリエン(5系統)は作用が弱いことが特徴です。

まとめ

脂肪酸は炭素の長さや二重結合(不飽和)の数によって融点が変化します。

お肉の油と魚の油、どちらが固まりやすいかなど、身近なものに置き換えて考えましょう。

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