管理栄養士 過去問
第40回(2026年)
問21 (人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問5)

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問題

管理栄養士試験 第40回(2026年) 問21(人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

糖質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。
  • フルクトース6─リン酸は、ホスホフルクトキナーゼによりフルクトース1,6─ビスリン酸となる。
  • ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。
  • グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。
  • グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。

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この過去問の解説 (3件)

01

摂取した糖質がエネルギー源として利用、貯蔵されるためのプロセスの問題です。

グルコースの代謝の流れを理解し、酵素との組み合わせを覚えましょう。

選択肢1. グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。

不正解です。

アルドラーゼはフルクトース1,6-2リン酸を分解する酵素です。

グルコースはヘキソキナーゼによってグルコース6─リン酸になります。

選択肢2. フルクトース6─リン酸は、ホスホフルクトキナーゼによりフルクトース1,6─ビスリン酸となる。

正解です。

グルコースがフルクトース6─リン酸になり、その後ホスホフルクトキナーゼによってフルクトース1,6─ビスリン酸となります。

選択肢3. ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。

不正解です。

ペントースリン酸回路はNADPHを生成します。

選択肢4. グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。

不正解です。

グリコーゲンの分解によって生じるのはグルコースです。

グリセロールは中性脂肪(トリグリセリド)分解の際に生じます。

選択肢5. グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。

不正解です。

グルコース─6─ホスファターゼはグルコースとリン酸を切り離す役割があり、筋肉には存在しません。

まとめ

グルコースはヘキソキナーゼでリン酸がくっつき(グルコース-6-リン酸)、グルコース-6-ホスファターゼでリン酸が外れます(グルコース+リン酸)。

難しく感じるかもしれませんが、リン酸がくっつくことでグルコースが大きくなり、細胞膜を自由に行き来できなくなると考えてください。

グルコースを閉じ込めたい(蓄える)際はリン酸をくっつけ、グルコースを血中に放出したいときにリン酸を外します。

筋肉はリン酸を外す酵素を持っていないため、蓄えたグルコース(グリコーゲン)を血中に放出することはできません。

筋肉を動かすためのエネルギーとしてのみ使用されます。

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02

糖質の代謝について、小腸から吸収されたグルコースは、

解糖系→クエン酸回路→電子伝達系で代謝されます。

フルクトース、ガラクトースは肝臓においてグルコースの代謝経路に合流して利用されます。

選択肢1. グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。

不正解です。

 

グルコースは、ヘキソキナーゼによりグルコース6─リン酸となります。

選択肢2. フルクトース6─リン酸は、ホスホフルクトキナーゼによりフルクトース1,6─ビスリン酸となる。

正解です。

選択肢3. ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。

不正解です。

 

ペントースリン酸回路は、NADPHを生成します。

ペントースリン酸回路が合成するのは「NADPH」「リボース5-リン酸」の2つです。

選択肢4. グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。

不正解です。

 

グリコーゲンの分解により、グルコース1-リン酸が生じます。

トリグリセリドが分解されると、グリセロールが生じます。

選択肢5. グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。

不正解です。

 

グルコース─6─ホスファターゼは、肝臓に存在します。

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03

この問題は、解糖系、ペントースリン酸回路、グリコーゲン代謝に関する基本事項を問う問題です。

糖質代謝では、酵素と反応の組合せ、生成される補酵素の種類、酵素が存在する臓器の違いが問われやすい点です。

各選択肢について、「どの酵素が」「何を何に変えるか」「どの臓器で働くか」を整理しながら確認しましょう。

選択肢1. グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。

✕不正解です。 

●グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。   が誤りです。

 

【理由】:酵素名と反応が入れ替わっているため、誤りです。

・グルコース → グルコース6-リン酸は、アルドラーゼではなくヘキソキナーゼ(肝臓ではグルコキナーゼ)の反応です。

・グルコースをグルコース6-リン酸に変える反応は、ヘキソキナーゼ(肝臓ではグルコキナーゼ)が触媒し、ATPを消費します。

・アルドラーゼは、解糖系でフルクトース1,6-ビスリン酸を2つの3炭糖(グリセルアルデヒド3-リン酸とジヒドロキシアセトンリン酸)に切断する酵素です。

選択肢2. フルクトース6─リン酸は、ホスホフルクトキナーゼによりフルクトース1,6─ビスリン酸となる。

◯正解です。

 

【理由】

フルクトース6-リン酸は、ホスホフルクトキナーゼ(PFK)によりATPを用いてリン酸化され、フルクトース1,6-ビスリン酸になります。

この反応は解糖系の主要な調節段階(律速段階)で、ホスホフルクトキナーゼは律速酵素です。

選択肢3. ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。

✕不正解です。 

●ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。   が誤りです。

 

【理由】:ペントースリン酸回路の生成物は、NADHではなくNADPHとリボース5-リン酸です。

・NADHは主に解糖系やTCA回路で生成され、電子伝達系・酸化的リン酸化でATP産生に利用されます。

一方、NADPHは脂肪酸やコレステロールなどの還元的な生合成に利用されるほか、還元型グルタチオンの再生を介して過酸化物の除去にも関わります。なお、NADPHのPはリン酸(phosphate)を表します。

選択肢4. グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。

✕不正解です。 

●グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。   が誤りです。

 

【理由】:グリコーゲン分解では、主にグルコース1-リン酸が生じ、グリセロールは生じないからです。

・グリコーゲンはグルコースが多数結合した多糖です。分解されると、主にグルコース1-リン酸が生じ、枝分かれ部位では脱分枝酵素の作用により少量の遊離グルコースが生じます。グリセロールは生じません。

・グリセロールは、トリアシルグリセロール(中性脂肪)の構成成分です。

選択肢5. グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。

✕不正解です。 

●グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。   が誤りです。

 

【理由】:グルコース-6-ホスファターゼは、肝臓・腎臓にあり、骨格筋にはないからです。

グルコース-6-ホスファターゼは、グルコース6-リン酸からリン酸を外して遊離のグルコースを生じる酵素です。

主に肝臓や腎臓に存在し、骨格筋には存在しません。

そのため、筋肉のグリコーゲンは筋肉内で利用され、血中グルコースの直接の供給源にはなりません。

一方、肝臓のグリコーゲンは、この酵素の働きにより血糖の維持に寄与します。

まとめ

覚えておきたい要点は次の3つです。

①フルクトース6-リン酸 → フルクトース1,6-ビスリン酸の反応を触媒するのは、解糖系の律速酵素であるホスホフルクトキナーゼ

②NADHはATP産生に、NADPHは還元的な生合成などに利用される(ペントースリン酸回路で生成されるのはNADPH)

③グルコース-6-ホスファターゼは肝臓・腎臓にあり、骨格筋にはない。そのため、肝グリコーゲンは血糖維持に使われ、筋グリコーゲンは血糖の直接の供給源にならない

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