管理栄養士 過去問
第40回(2026年)
問53 (食べ物と健康 問8)

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問題

管理栄養士試験 第40回(2026年) 問53(食べ物と健康 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

食品中の有害物質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • デオキシニバレノールは、主に魚介類の変質により生成される。
  • ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されやすい。
  • アスペルギルス属の一部は、オクラトキシンAを生成する。
  • ヒスタミンは、内分泌かく乱物質として作用する。
  • 有機水銀は、イタイイタイ病の原因となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

食品を摂取することで起こる健康被害は、食品中の有害物質が原因の場合もあり、その種類は様々です。

選択肢1. デオキシニバレノールは、主に魚介類の変質により生成される。

不正解
デオキシニバレノールは、麦やトウモロコシに発生する赤カビ病の病原菌が産生するカビ毒です。

選択肢2. ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されやすい。

不正解
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、脂肪に溶けやすく、一度体内に取り込まれると排泄されにくい物質です

選択肢3. アスペルギルス属の一部は、オクラトキシンAを生成する。

正解
カビ毒のオクラトキシンAは、コーヒー、ココア、穀類などから検出されます。

選択肢4. ヒスタミンは、内分泌かく乱物質として作用する。

不正解
ヒスタミンは、生理活性物質として作用し、アレルギー反応を引き起こします。

選択肢5. 有機水銀は、イタイイタイ病の原因となる。

不正解
有機水銀は、水俣病の原因です。

イタイイタイ病の原因は、カドミウムです。

参考になった数8

02

この問題では、食品中の有害物質の含有物や症状・実際に起きた事例を理解するのが重要です。

選択肢1. デオキシニバレノールは、主に魚介類の変質により生成される。

不適当です。

 

デオキシニバレノールは、主に麦や米・とうもろこしに含まれます。。

魚介類が関係する有害物質には、PCB(ポリ塩化ビフェニル)や有機スズがあります。

 

✱デオキシニバレノールは、Fusarium属のカビ毒です。

麦や米・とうもろこしに多く含まれ、食中毒になると造血機能障害や免疫機能障害を引き起こします。

 

✱日本では、小麦に対して暫定基準値「1.0mg/kg以下」の設定がされています。

(カビ毒で基準値が制定されているのは、デオキシニバレノールを含め、パツリン・アフラトキシンの3つのみです。)

選択肢2. ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されやすい。

不適当です。

 

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されにくいです。

 

✱ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生物濃縮によって魚介類に蓄積し含有する物質です。

PCBは、「環境中で分解されにくく」「空気中や水にのって長距離移動し」「生物の体内に蓄積する」の条件が揃った物質であり、POPsの代表的な有害物質の1つです。

 

✱ポリ塩化ビフェニル(PCB)で覚えておくべき最重要事例は、カネミ油症事件です。

カネミ油症事件では、米ぬか油製油所から漏れ出したPCBが経口摂取され、色素沈着や発育阻害が引き起こされました。

選択肢3. アスペルギルス属の一部は、オクラトキシンAを生成する。

適当です。

 

オクラトキシンAは、アスペルギルス属やペニシリウム属のカビが産生するカビ毒です。

 

✱オクラトキシンAとは、穀類や豆類などを汚染するカビ毒です。

選択肢4. ヒスタミンは、内分泌かく乱物質として作用する。

不適当です。

ゼアラレノンは、内分泌かく乱物質として作用します。

ヒスタミンは、アレルギー様食中毒の原因になります。

 

✱ゼアラレノンは、Fusarium属のカビ毒です。

主に、麦やとうもろこしに含有され、エストロゲン作用があり、家畜に対して生殖障害を引き起こします。

 

✱ヒスタミンは、Ⅰ型アレルギーに関与します。主に、マスト細胞(肥満細胞)や好塩基球の細胞表面のIgEにアレルゲンが付着すると放出されます。

ヒスタミンは、アレルギー様食中毒との関連があります。

アレルギー様食中毒では、赤身魚に多く含まれるヒスチジンが、不適切な取扱いによって脱炭酸反応を起こしヒスタミンとなり魚肉内に蓄積され、それを人が喫食することによってアレルギーに似た反応が起こります。

選択肢5. 有機水銀は、イタイイタイ病の原因となる。

不適当です。

有機水銀は、水俣病の原因になりました。

カドミウムは、イタイイタイ病の原因になりました。

 

✱水俣病では、工場排水に含まれていたメチル水銀が生物濃縮し、それを人が喫食したことによって起こりました。

1956年には、熊本県・鹿児島県の水俣湾沿岸で発生し、1964年には新潟県阿賀野川流域で起こりました。

症状は、中枢神経疾患や求心性視野狭窄・四肢の感覚障害があります。

 

✱イタイイタイ病は、富山県神通川下流域で、鉱山排水に含まれていたカドミウムが稲に蓄積し、それを人が喫食したことによって起こりました。

カドミウムは、腎臓でビタミンDの活性を阻害し、腸管からのカルシウムの吸収を阻害し、慢性のカルシウム不足に陥らせます。そのため、骨軟化症が引き起こされます。

また、イタイイタイ病は、女性に多く発症しました。これは、妊娠や出産により男性よりもカルシウム不足であったためだとされています。

まとめ

有害物質の問題では、基準値が制定されている「パツリン・デオキシニバレノール・アフラトキシン」、また、四大公害病が再頻出問題となります。

特に、カビ毒では、この3つの有害物質を意識して覚えることが得点率アップの鍵です。

参考になった数1

03

食品に付着するカビ等や化学物質等の有害物質は、毒性の強いものも多々あり、体内への蓄積によって様々な健康被害を引き起こすことがわかっています。

食品中の暫定既存量が規定されていたり、世界的に厳重な管理が定められているものなどもあります。

選択肢1. デオキシニバレノールは、主に魚介類の変質により生成される。

✕

デオキシニバレノールとは、麦類やとうもろこしなどの穀物に発生するカビ毒の1種です。

日本では、汚染されやすい食品として小麦が挙げられ、食品中の暫定基準値が設けられています。

選択肢2. ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されやすい。

✕

PCBは昭和47年に製造・使用が中止されるまでは、様々な工業製品に利用されてきました。

毒性が非常に強く、体内に蓄積されて健康被害を引き起こすため、規制されるようになりました。

選択肢3. アスペルギルス属の一部は、オクラトキシンAを生成する。

◯

アスペルギルス属とは、自然界に広く分布するカビの一群です。

麹カビとして味噌や醤油、その他に利用される種がある一方、感染症やカビ毒の原因となる種も存在します。

コーヒー豆、ココア、ドライフルーツなどに発生する種はオクラトキシンAを生成し、強い腎毒性や発がん性を持つことで知られています。

選択肢4. ヒスタミンは、内分泌かく乱物質として作用する。

✕

内分泌かく乱物質とは、ホルモンバランスを崩す外因性化学物質のことです。

ヒスタミンは、アレルギー反応などを引き起こす、生体内物質です。

選択肢5. 有機水銀は、イタイイタイ病の原因となる。

✕

イタイイタイ病の原因物質は、カドミウムです。

有機水銀(メチル水銀)によって引き起こされたのは、水俣病などです。

参考になった数0